
近年、美容師の採用は“難しい”を通り越して、“当たり前に厳しい時代”に入っています。その状況を端的に表しているのが、美容師の有効求人倍率です。
有効求人倍率は求職者1人に対して何件の求人があるかを示す数字で、この数値が高いほど「美容師の取り合い」が起きている状態だといえます。実際、美容業界ではここ数年で求人倍率が大きく上昇し、採用の常識そのものが変わりつつあります。
この記事では、美容師の有効求人倍率について、直近3年間の推移や地域ごとの傾向をご紹介し、現在の採用市場のリアルをわかりやすく解説します。また、なぜここまで採用が難しくなっているのか、その背景にある理由も整理します。
さらに後半では、この厳しい状況でも「選ばれる美容室」になるために、今すぐ見直したい採用戦略のポイントをご紹介します。感覚ではなく、データを味方につけた採用をしたい方は、ぜひ参考にしてください。
美容師有効求人倍率の推移は?
有効求人倍率とは、「ハローワークに登録されている求人数」を「仕事を探している人の数」で割った指標です。簡単にいえば、求職者1人に対して、どれくらいの求人があるのかを表しています。
まずは、美容師の有効求人倍率の推移や現在の地域別の有効求人倍率についてチェックしていきましょう。
全国の推移
下記は、厚生労働省が毎年公開しているデータをもとに作成した全国の美容師の有効求人倍率の推移です。

この図から、美容師の有効求人倍率はここ3年間は5倍以上で高止まりしていることがわかります。令和5年度は特に高い6.1倍を示し、その翌年の令和6年度では5.73倍と減少するなどの年間変動はありますが、近似曲線を書いてみると有効求人倍率は右肩上がりとなっているため、上昇傾向にあるということが分かります。
ちなみに、厚生労働省によると全業種平均の有効求人倍率は令和4年度で1.25倍、令和5年度で1.27倍、令和6年度で1.28倍となっています。美容師の有効求人倍率は、常に4~5倍程度高くなっていることから、いかに美容師が人手不足なのかが分かります。
帝国データバンクによると、2025年1~8月に倒産した美容室157件のうち、人手不足が直接要因となったものは9件にも上っているとされています。人手確保は、美容業界全体の課題といっても良いでしょう。
地域別の有効求人倍率比較
次に、地域別の美容師の有効求人倍率を見ていきましょう。下記は、厚生労働省のデータをもとに令和6年度の美容師の有効求人倍率を一覧にした表です。
| 都道府県 | 有効求人倍率(倍) | 都道府県 | 有効求人倍率(倍) | 都道府県 | 有効求人倍率(倍) | 都道府県 | 有効求人倍率(倍) |
| 北海道 | 2.11 | 東京都 | 6.58 | 滋賀県 | 4.92 | 香川県 | 3.94 |
| 青森県 | 4.16 | 神奈川県 | 13.04 | 京都府 | 6.78 | 愛媛県 | 7.54 |
| 岩手県 | 3.3 | 新潟県 | 11.12 | 大阪府 | 6.94 | 高知県 | 5.03 |
| 宮城県 | 7.79 | 富山県 | 8.05 | 兵庫県 | 3.11 | 福岡県 | 2.75 |
| 秋田県 | 4.06 | 石川県 | 2.68 | 奈良県 | 4.44 | 佐賀県 | 3.2 |
| 山形県 | 6.1 | 福井県 | データ無 | 和歌山県 | 3.13 | 長崎県 | 5.13 |
| 福島県 | 4.92 | 山梨県 | 5.21 | 鳥取県 | 4.99 | 熊本県 | 3.77 |
| 茨城県 | 14.27 | 長野県 | 8.73 | 島根県 | 6.85 | 大分県 | 2.47 |
| 栃木県 | 4.9 | 岐阜県 | 5.03 | 岡山県 | 6.25 | 宮崎県 | 3.08 |
| 群馬県 | 9 | 静岡県 | 4.89 | 広島県 | 14.05 | 鹿児島県 | 3.24 |
| 埼玉県 | 3.78 | 愛知県 | 6.77 | 山口県 | 4.64 | 沖縄県 | 3.85 |
| 千葉県 | 4.06 | 三重県 | 2.89 | 徳島県 | 2.59 |
この表から分かるように、現在はどの地域でも美容師が足りていない状態です。
しかし、美容師の有効求人倍率は地域によって大きく異なります。東京都・大阪府・神奈川県や地方中枢都市は有効求人倍率が高い傾向にありますが、福岡県など地域によってはそこまで高すぎることはないようです。また、北関東のほか、新潟県や富山県、長野県、愛媛県などは非常に高い有効求人倍率となっています。
都市部の高い有効求人倍率は、美容室の多さによる獲得競争の激化、地方の高い有効求人倍率はそもそもの美容師人口の少なさであることが予想されます。
美容師の求人倍率が高騰している4つの理由とは?

美容師の有効求人倍率の推移や地域別の有効求人倍率から、美容師の人手不足は一時的・地域的なものではなさそうだということが分かりました。それでは、なぜ美容師の有効求人倍率がここまで高く推移しているのでしょうか?効果的な採用戦略を立てるためにも、その理由を知っておきましょう。
美容師の供給に対しサロン数が圧倒的に多い
美容室の店舗数は年々増加しており、2025年時点で全国に約26万店舗が存在します。これはコンビニエンスストアの店舗数を大きく上回る数字です。一方で、美容師免許を持つ人の数は約130万人とされていますが、実際に美容師として働いている人は約55万人程度に留まります。サロン数の増加に対して、働く美容師の数が追いついていない状況です。
新規開業のハードルが比較的低く、小規模サロンでも開業しやすい美容業界では、毎年多くの新規サロンが誕生しています。しかし同時に廃業するサロンも多く、競争が激化しています。結果として、限られた人材を多数のサロンで奪い合う構造が生まれているのです。
また、1店舗あたりの美容師数は平均3〜4人程度と小規模なサロンが多いのも特徴です。大手チェーンから個人サロンまで、それぞれが採用活動を行うため、市場全体での求人数は膨大になります。この需給バランスの歪みが、高い求人倍率の根本的な原因となっているのです。
美容師にならない新人の増加
美容専門学校の卒業生のうち、実際に美容師として就職する人の割合が年々低下しています。美容師免許を取得しても、美容業界以外に就職したり、そもそも就職しなかったりするケースが増えているのです。専門学校によっては、卒業生の半数以上が美容業界以外に進むケースもあります。
この背景には、美容師の労働環境に対する懸念があります。長時間労働、休日の少なさ、給与水準の低さ、体力的な負担など、ネガティブな情報が若者に広まっています。SNSやインターネットを通じて、業界のリアルな実態が可視化されたことで、美容師になることを躊躇する若者が増えているのです。
また、美容専門学校に通う学生の中には、美容師以外のキャリアを目指す人も一定数います。ヘアメイクアーティスト、アイリスト、ネイリスト、エステティシャンなど、美容に関連する他の職種を選ぶケースも少なくありません。美容師免許保有者が必ずしも美容師になるわけではない構造が、人材不足を深刻化させています。
新卒離職率25%超!休眠美容師も増加
美容業界は新卒の離職率が非常に高いことで知られています。厚生労働省の「理容業・美容業に関する関連データ」では、入社後1年以内の離職率は約10%、1~3年以内では26.7%と非常に高い数字が紹介されています。そのため、美容室はせっかく採用しても短期間で辞めてしまうため、常に新たな採用活動を続けなければならない悪循環に陥っています。
離職の主な理由は、想像以上の労働環境の厳しさ、人間関係のストレス、給与への不満、キャリアアップの見通しが立たないことなどです。特にアシスタント期間が長く、スタイリストになるまでに数年かかることが、若手の離職につながっています。即戦力として活躍できないもどかしさが、モチベーションの低下を招いているのです。
さらに深刻なのが、美容師免許を持ちながら業界を離れた「休眠美容師」の増加です。結婚や出産を機に退職し、復帰しない女性美容師が多数存在します。また、体力的な限界や労働条件への不満から、若くして業界を去る人も少なくありません。ホットペッパービューティーの調査によると、休眠美容師数は2024年時点で推定で約84万人も存在するとされています。この潜在的な人材をいかに呼び戻すかが業界全体の課題といえるでしょう。
地方美容室の高有効求人倍率推移は人口流出と高齢化が原因
地方で美容師の有効求人倍率が高くなる背景の1つに、若年層の人口流出と地域の高齢化があります。
進学や就職をきっかけに若い世代が都市部へ移動することで、地方では美容師として働く求職者そのものが減少しています。一方で、長年地域を支えてきた高齢の美容室オーナーが引退期を迎え、後継者不足から人材募集を続けざるを得ないサロンも少なくありません。結果として、地域によっては求職者は減る一方で求人だけが残り、有効求人倍率が押し上げられる状況が生まれています。
さらに、通勤や生活面でのハードルの高さも地方特有の課題です。公共交通機関が十分に整っていない地域では、車通勤が前提となるケースが多く、都市部に比べて移動コストや生活の不便さを感じやすくなります。また、最低賃金の地域差もあり、給与水準が都市部より低めになりやすい点も、応募をためらう要因となっているようです。
こうした条件が重なり、美容師免許を持っていてもUターンやIターンで地方就職を選ぶ人は限られ、地域によっては有効求人倍率が10倍を超えるケースも見られます。地方美容室の採用難は、一時的な人手不足ではなく、人口動態や地域構造に根ざした問題だといえるでしょう。
美容師の人手不足の原因については、下記記事でも取り上げています。あわせて参考にしてみてください。
美容師の人手不足はなぜ起きる?5つの主な原因と今すぐできる対策を解説
美容師の高い有効求人倍率を乗り越えるための5つの採用戦略!

厳しい採用環境の中でも、工夫次第で優秀な人材を確保することは可能です。従来の採用手法にとらわれず、戦略的かつ創造的なアプローチが求められています。ここでは、実際に成果を上げているサロンが実践している5つの採用戦略をご紹介します。
美容師の採用戦略については、下記記事でも取り上げています。あわせて参考にしてみてください。
美容室の人手不足の原因は?8つの対策&集客と採用を両立させる最新方法紹介
1. プレミアムポジショニングで経験者を引き抜く
経験豊富な美容師を採用するには、他のサロンとは明確に差別化された魅力的な条件を提示する必要があります。単に「給与が高い」だけでなく、総合的な待遇とキャリアパスの魅力で勝負するのがプレミアムポジショニング戦略です。具体的には、業界平均を大きく上回る給与体系、充実した福利厚生、自由度の高い働き方、独立支援制度などを用意します。
例えば、スタイリストの月給を35万円以上とする、年間休日を120日以上確保する、売上に応じた高額インセンティブを設定する、海外研修の機会を提供するなどが考えられます。また、将来的な独立を支援するプログラムや、店長・マネージャーへの昇進パスを明確に示すことも効果的です。
このアプローチでは、採用コストは高くなりますが、即戦力となる優秀な人材を獲得できるメリットがあります。経験者は新人教育のコストがかからず、すぐに売上に貢献してくれるため、長期的には投資回収が可能です。プレミアムポジショニングは、資金力のあるサロンや急成長を目指すサロンに特に適した戦略といえます。
アプローチをする際は、直接声をかける以外にも、スカウトメールなどのサービスを提供している求人媒体を活用する方法があります。
2. ニッチ特化で余裕のある働き方をアピールする
特定の技術やターゲット層に特化したニッチサロンとして差別化する戦略も有効です。例えば、カット専門店、カラー専門店、白髪染め専門店、メンズ専門店、シニア向けサロンなど、明確な専門性を打ち出します。ニッチに特化することで、限られた技術を極めることができ、美容師の負担を軽減できます。
ニッチ特化のメリットは、比較的余裕のある働き方を実現できる点です。幅広いメニューに対応する必要がないため、スタッフの技術習得が早く、業務効率も向上します。また、特定分野のスペシャリストとしてのプライドや やりがいを感じやすく、離職率の低下にもつながります。
求人広告では、「カット技術だけを極めたい方歓迎」「残業ほぼなし・定時退社が基本」「専門店だから覚えることが少なく、すぐ活躍できる」といった、働きやすさを前面に打ち出します。ワークライフバランスを重視する若手美容師や、体力的な負担を減らしたいベテラン美容師に響くメッセージとなるでしょう。
3. リファラル+トライアルで定着率を向上させる
既存スタッフからの紹介(リファラル採用)と、正式採用前のお試し勤務(トライアル採用)を組み合わせる戦略もおすすめです。リファラル採用では、現在働いているスタッフに友人や知人の美容師を紹介してもらい、紹介者には紹介報酬を支払います。スタッフが自分の職場を人に勧められるということは、職場環境に満足している証拠でもあります。
紹介による採用は、価値観や人柄のミスマッチが起きにくいメリットがあります。紹介者がサロンの雰囲気や方針を事前に説明しているため、入職後のギャップが少ないのです。また、知り合いがいることで新しい職場にも馴染みやすく、定着率の向上が期待できます。
さらに、正式採用前に数週間から1〜2ヶ月のトライアル期間を設けることで、双方が相性を確認できます。トライアル期間中は時給制や日給制で柔軟に対応し、お互いに「合わない」と感じた場合は無理に採用を進めない選択肢も残します。この慎重なプロセスによって、採用後の早期離職を防ぎ、長期的に活躍してくれる人材を確保できます。
4. 時短柔軟雇用で即戦力を確保する
休眠美容師や家庭との両立を希望する経験者を呼び戻すためには、時短勤務やフレックスタイム制を導入する戦略が有効です。週3〜4日勤務、1日5〜6時間勤務、午前中のみ・午後のみの勤務など、柔軟な働き方を認めることで、従来の採用市場にはいなかった層にアプローチできます。
特に、子育て中の女性美容師や、副業として美容師を続けたい人にとって、柔軟な勤務形態は大きな魅力です。フルタイムでは働けないものの、週に数日なら働きたいという潜在的な人材は数多く存在します。これらの人材は経験豊富で即戦力になるため、教育コストがかからず、すぐに売上に貢献してくれます。
時短勤務者を複数雇用することで、フルタイム1人分の労働力を確保できます。また、多様な働き方を認めるサロンであることが社外にも伝わり、採用ブランディングにもプラスに働きます。柔軟な雇用形態は、これからの美容業界のスタンダードになっていく可能性が高く、早期に導入することで採用面での優位性を築けるでしょう。
5. SNS・動画求人で若手のファン採用を行う
美容師の多くは職場探しで「オシャレさも重視している」と答えています。そんな美容師を採用する手段として、InstagramやTikTok、YouTubeなどのSNSは相性抜群です。時間はかかってしまうことが多いですが、サロンのファンを作ることで採用につなげることができます。
具体的には、スタッフの施術動画やビフォーアフター、サロンの日常風景、スタッフインタビュー、研修の様子などを定期的に投稿します。働く人の顔が見え、職場の雰囲気が伝わるコンテンツは、求職者の不安を解消し、応募のハードルを下げます。また、フォロワーとのコミュニケーションを通じて、潜在的な求職者との接点を増やせます。
動画求人では、「1日密着」「スタッフ座談会」「先輩美容師のキャリアストーリー」など、リアルで共感を呼ぶコンテンツが効果的です。Z世代の求職者は、企業の公式な求人情報よりも、SNSでのリアルな情報を重視する傾向があります。継続的な情報発信によってファンを増やし、「この人たちと働きたい」という感情を醸成することが、これからの採用成功の鍵となるでしょう。
美容師のSNS活用方法を含む採用戦略については、下記記事でも取り上げています。あわせて参考にしてみてください。
美容師の採用方法を徹底解説!求人サイトからSNS活用まで効果的な8つの手法
美容師求人でよくある質問と解答

美容師の採用活動を進めるにあたって、多くのサロン経営者や採用担当者が抱える疑問や悩みがあります。ここでは、採用現場で特によく聞かれる6つの質問に対して、具体的かつ実践的な回答を用意しました。これらの質問と回答を通じて、美容師採用の実務的なノウハウや、効果的なアプローチ方法が見えてくるはずです。自サロンの採用戦略を見直す際の参考にしてください。
Q1: 美容師の有効求人倍率は他の業種と比べてどれくらい高いですか?
美容師の有効求人倍率は、全職業平均と比較して4〜5倍程度高い水準にあります。全職業平均の有効求人倍率が1.2〜1.3倍程度であるのに対し、美容師は5〜6倍、地域によっては10倍を超えることもあります。これは、介護職や建設業など、一般的に人手不足といわれる業種と同等か、それ以上の水準です。
他の専門職と比較しても、美容師の求人倍率の高さは際立っています。例えば、調理師が2〜3倍、看護師が2.5倍程度であることを考えると、美容師の採用難易度の高さが分かります。この数字は、美容師1人に対して5〜6社のサロンが採用を競い合っている状況を示しており、採用活動における強力な差別化戦略が不可欠であることを意味しています。
Q2: 経験者の心を動かすような条件はどのようなものですか?
経験豊富な美容師が転職を検討する際に重視するのは、給与だけでなく総合的な労働環境とキャリアパスです。具体的には、月給30万円以上の確実な収入、年間休日110日以上の休暇、社会保険完備、残業の少なさ、有給休暇の取得しやすさなどが基本条件となります。加えて、技術研修の充実、海外研修の機会、独立支援制度、役職へのキャリアパスの明確化などが魅力的な条件として挙げられます。
また、働きやすさの面では、最新の設備や道具の提供、指名客の引き継ぎ保証、フレックスタイム制の導入、副業の許可なども効果的です。経験者は自分のスキルに自信を持っているため、そのスキルを正当に評価し、さらに成長できる環境を求めています。単なる高給与ではなく、長期的なキャリア形成と働きやすさのバランスが取れた条件を提示することが、経験者の心を動かす鍵となります。
Q3: 新卒がすぐ辞めるのを防ぐ具体的な方法はありますか?
新卒の早期離職を防ぐには、入社前の期待値調整と入社後の手厚いフォローが重要です。まず、採用段階で美容師の仕事の現実を正直に伝え、理想と現実のギャップを小さくします。インターンシップや職場見学を通じて、実際の業務内容や職場の雰囲気を体験してもらうことが効果的です。
入社後は、メンター制度を導入し、先輩美容師が新人の相談役となる体制を整えましょう。定期的な面談を行い、悩みや不安を早期にキャッチアップすることで、問題が大きくなる前に対処できます。また、スタイリストデビューまでの明確なロードマップを示し、成長が実感できる小さな目標を設定することも重要です。技術習得に応じた段階的な給与アップや、資格取得支援なども、モチベーション維持に効果的です。
Q4: リファラル採用のボーナス相場はどれくらいですか?
リファラル採用の紹介報酬の相場は、美容業界では5万円〜15万円程度が一般的です。ただし、採用する人材のスキルレベルや経験年数によって金額を変動させるサロンも多くあります。例えば、アシスタントの紹介であれば5万円、スタイリストであれば10万円、店長クラスであれば15〜20万円というように、役職や経験に応じて報酬を設定します。
支払いタイミングも重要で、紹介した人材が入職した時点で半額、3ヶ月または6ヶ月継続勤務した時点で残り半額を支払う分割方式が一般的です。これにより、紹介者も紹介した人材が定着するよう気にかけるインセンティブが働きます。報酬は金銭に限らず、連続休暇や海外研修参加権、高級美容機器のプレゼントなど、非金銭的な報酬を選択できる制度も喜ばれる傾向にあります。
Q5: 求人倍率高止まりによる採用コストの膨張を抑える方法はありますか?
採用コストを抑えるには、複数の採用チャネルを組み合わせ、費用対効果を継続的に検証することが重要です。求人サイトへの掲載料は決して安くありませんが、自社サイトやSNSを活用した無料または低コストの採用チャネルを並行して活用することで、全体のコスト削減が可能です。特にInstagramやTikTokなどのSNSは、時間と労力はかかりますが、金銭的なコストを抑えながら効果的に求職者にリーチできます。
前述のとおり、リファラル採用を強化することで、求人広告費を削減できます。紹介報酬を支払っても、求人サイトの掲載料や人材紹介会社への手数料と比較すれば、総コストは低く抑えられるでしょう。
最終的には、採用した人材の定着率を高めることが、長期的な採用コスト削減に最も効果的です。離職率が高いと常に採用活動を続けなければならず、コストが膨らみます。働きやすい環境を整え、スタッフの満足度を高めることが、結果的に最大のコスト削減策となります。
美容師の採用コストについては、下記記事でも取り上げています。あわせて参考にしてみてください。
美容師採用コストの相場はいくら?雇用形態・採用方法の費用を徹底解説
Q6: Z世代に響く動画求人のポイントを知りたいです
Z世代の求職者に響く動画求人のポイントは、リアルで等身大の情報を提供することです。完璧に作り込まれた企業PRよりも、日常の様子やスタッフの本音が伝わるコンテンツの方が信頼を獲得できます。例えば、「1日密着」形式で朝の出勤からクローズまでを追ったり、スタッフ同士の何気ない会話を切り取ったりする動画が効果的です。
長さは30秒〜2分程度の短尺が基本で、最初の3秒で興味を引くフックが重要です。「残業ほぼゼロの美容室の1日」「月給35万円のスタイリストのリアル」など、具体的な数字や魅力的な条件を冒頭で提示します。また、字幕を必ず入れ、音声なしでも内容が理解できるようにすることが大切です。Z世代は多くの動画を無音で視聴するため、字幕の有無が視聴完了率に大きく影響します。
美容師採用を成功させるなら「ビヨウノサイヨウブ」へ!

この記事では、美容師の有効求人倍率の推移や地域別の有効求人倍率をまとめ、美容師不足の実態やその理由を明らかにしました。美容師採用は、いまや「難しいのが当たり前」の時代となっています。この時代を乗り越えるためにも、戦略的な採用が不可欠です。
美容師の採用でお悩みのサロンには、「ビヨウノサイヨウブ」の活用をおすすめします。ビヨウノサイヨウブは、美容業界に特化した採用代行サービスで、求人作成から応募者管理、採用戦略の立案まで、採用活動全般を総合的にサポートします。
美容業界特有の採用課題を深く理解しており、高い求人倍率の中でも効果的に人材を確保するノウハウを豊富にご提供。サロンの魅力を最大限に引き出す求人コンテンツの制作や、SNSを活用した採用ブランディング支援、動画求人の企画・制作など、最新の採用手法をご提案いたします。
業界トップクラスの92%の採用成功率を誇るビヨウノサイヨウブを、ぜひこの機会にご検討ください。
>ビヨウノサイヨウブへの無料相談はこちら
<参考文献>
・美容 師 有効 求人 倍率 驚きの実態と短期間で採用成功7原則
・美容師の求人掲載を成功に導く重要ポイント|おすすめサイトや事例も紹介
・【美容就業実態調査2023】 チャート集
・美容院の80%が人材不足!美容師不足の原因と解決策(採用戦略)
・「有効求人倍率5.66倍」美容室の採用は、もはや“戦略”で差がつく時代に

